ツイッターで「検察庁法改正法案に講義します」「検察庁法改正案に講義します」の2つのハッシュタグがトレンド入り。
NHKニュースによれば、その総投稿数は380万を超えたそうです。
それほど大きな話題になっている今回の検察庁法改正法案。
でも普段は聞き慣れない言葉ですし、そもそもどんな内容で何が問題点となっているのかもパッと思いつく人は少ないでしょう。
この記事では、今回の検察庁法改正法案について筆者が調べた情報をその内容や問題点を出来る限りわかりやすく紹介出来ればと思います。
検察庁法改正法案とは?
まず、「そもそも検察庁法改正法案とはなんぞや?」という疑問について。
日本の法学者である大屋雄裕(おおや たけひろ)さんによれば、
【検察庁法改正法案とは?】
国家公務員法等の一部を改正する法律案のこと。
【国家公務員法等に含まれる法律は?】
検察庁法を始めとした、国公法、警察法、自衛隊法、教育公務員特例法など30の法律が含まれる。
とのこと。
今回話題になっているのは検察庁法の部分ですね。
例えば、
スポーツにはサッカー以外にも野球やラグビーやスケートなど様々なスポーツがありますよね。
「サッカーのルールを一部変えます!」となった時に「スポーツルール改正案(今回で言うところの検察庁法改正法案)」として扱われるようなイメージでしょうか。
もしわかりづらかったら申し訳ないです!
今回の検察庁法改正法案の内容は?
検察庁法改正法案とは一体どんなものなのかについては大丈夫でしょうか?
では、今回話題になっている検察庁法改正法案の内容について触れていきます。
先ほど検察庁法改正法案の対象には30もの法律が含まれると紹介しました。
でも、2020年5月に話題になっている検察庁法改正法案の内容は非常にシンプルなものです。
検察官の役職定年を65歳に引き上げる
これだけです。
え?それだけ?と思ってしまうくらいシンプルですよね。
今回の検察庁法改正法案の問題点は?
#検察庁法改正案に抗議します pic.twitter.com/QeVYWObxTc
— きゃりーぱみゅぱみゅ (@pamyurin) May 10, 2020
きゃりーぱみゅぱみゅさんがツイッターで投稿したこの投稿が話題になりました。
投稿に添付されていた画像がこちら。
では、検察庁法改正法案の問題点となっているのは一体何なのでしょうか。
勘の良い方は既になんとなく検討がついているのではないかと思います。
「黒川弘務検事長の任期延長が目的ではないか」と言われているから
2020年5月現在、検事長を務めているのは黒川弘務(くろかわ ひろむ)さんです。
【関連記事】黒川弘務検事長の経歴と学歴は?高校や大学も有名な超エリート?
黒川弘務さんは安倍首相を始めとした内閣と近しい人物だと言われているそうです。
今回の検察庁法改正法案の問題点とされているのが、
「近しい黒川弘務検事長の任期を延長させて検察を私物化しようとしているのではないか」
ここが今回の検察庁法改正法案の問題点の1つとされています。
三権分立の崩壊を懸念した抗議
では、仮に黒川弘務検事長の任期が延長されることで一体どんな問題点が浮かび上がってくるのか。
三権分立の画像を参考にして紹介します。
【三権分立とは】
国が持つ権力を
- 立法権(国会)
- 行政(内閣)
- 司法(裁判所)
これら3つに分ける仕組みのこと。
3つの権力がお互いに抑制し合うことでバランスを保つ。
わかりやすく言えば「誰か一人が全部の権力を持っちゃったらやりたい放題出来ちゃって誰も止められる人が居なくなるよね!」という話です。
安倍首相と黒川弘務検事長のポジションを画像に反映すると、
このようになります。
安倍首相と黒川弘務検事長はそれぞれの重要なポジションに居る人物です。
そして、黒川弘務検事長は安倍首相を始めとした内閣と近しい人物だと世間では言われているようです。
もし仮にこれら全てが真実であると仮定して、行政と司法が手を組むようなことになれば、それぞれが抑制しあって成立していたバランスは崩壊します。
これが、今回の検察庁法改正法案に抗議が殺到した問題点ではないかと思います。
今回の検察庁法改正法案は実は問題ではない?
今回、検察庁法改正法案の問題点だと指摘されている三権分立の崩壊。
実は、調べてみると抗議の声で多く見られるこの三権分立の崩壊は今回の検察庁法改正法案では起こらないのではないかと思うような情報もあります。
その鍵となるのは、今回の検察庁法改正法案が可決となった場合の施行日です。
法案は可決された瞬間に適用されるわけではなく、実際に施行されるまでにはある程度の期間があります。
今回の検察庁法改正法案が可決された場合、施行日は2022年(令和4年)4月1日になるそうです。
問題点とされている黒川弘務検事長は1957年2月8日生まれで2020年5月現在63歳。
ということは、仮に可決されたとしても実際に改正された法律が施行される時には黒川弘務検事長は既に65歳の定年を迎えていることになります。
さらに、先述の法学者である大屋雄裕さんによれば、黒川弘務検事長の定年延長は既に行われているそうです。
つまり、今回の検察庁法改正法案が可決されるかどうかは黒川弘務検事長の任期には関係がないということのようです。
そもそもなぜ検察庁法改正法案が出された?
では、そもそも今回の検察庁法改正法案はなぜ出されたのでしょうか?
法学者の大屋雄裕さんによれば、一般公務員の定年引き上げが関係しているようです。
いやまあ理由はいろいろあったんだけど従来は定年が一般公務員60歳に対して検察官63歳だったところ前者を65歳に伸ばすんだから後者もそれなりに引き上げないとまずいだろ常識的に考えて(頭痛)。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) May 10, 2020
一般公務員の定年を引き上げたんだから役職の定年も引き上げないといけないでしょう、ということですね。
⑥なお65歳への定年引き上げは2008年に検討が始まり、肯定的な意見が2011年には人事院から出ています。大がかりな変更になるので関係官庁の議論がまとまったのが2018年で、法案が国会に出たのが2020年3月。特定の問題とは無関係に進んでいた話だということは確認しておく必要があるでしょう。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) May 10, 2020
おそらく、今回の検察庁法改正法案で問題視されていることとは別で進行していたことがタイミング悪く出てきてしまったということではないでしょうか。
ただ、2020年5月現在の世間の状態が悲惨で国民が今この瞬間も苦しんでいる中で時間を割いて進めるべきことかと言われれば疑問は残ってしまいます。