2022年1月現在、「ヤマカイTV Japanese ver」のチャンネル登録者は63万人を超えるバレエダンサーYouTuberの「ヤマカイ」さん。
そのヤマカイさんに対して批判する動画をアップした同じくバレエダンサーYouTuberの「ヒューマ」さんが炎上する問題となっています。
この記事では、
- ヤマカイとヒューマの炎上騒動の発端となった理由
- ヤマカイとヒューマの間でどういったやり取りがあったのか
- その後、この問題はどうなっているのか
前提:ヤマカイとヒューマのバレエに対する価値観の違い
まず、前提として抑えておくべきポイントを書いておきます。
- 「ヤマカイ」と「ヒューマ」は、両者ともプロのバレエダンサーであること
- 「ヤマカイ」と「ヒューマ」は、それぞれバレエに対する価値観が異なること
特に、ヤマカイさんとヒューマさんはバレエに対する取り組み方やアプローチ等の考え方に大きな違いがある、ということは抑えておきましょう。
それを理解した上で、今回の経緯を順を追って見ていけば今回の炎上騒動の全体像がよりハッキリと見えてくるはずです。
「ヤマカイ批判」のヒューマの炎上問題まとめ
では、本題に入ります。
「ヤマカイ批判」の動画投稿を発端としたヒューマさんの炎上までに至る経緯を紹介していきます。
①ヒューマが「ヤマカイ批判」の動画をYouTubeに投稿
2022年1月15日、ヒューマさんのYouTubeチャンネル『ヒューマ 日記 Hyuma’s Diary』に、今回の炎上の原因となったヤマカイ批判の動画が「10代バレエダンサーの真剣な思い」というタイトルで14分半の動画を投稿されました。
【補足】
最初に投稿された動画のサムネイルは、先ほどのヤマカイTVの動画に映っていたものでした。
炎上後の現在は↑の画像に差し替えられています。
動画の内容をまとめると、
「日本でバレエは広まっていない?」
- 日本でもバレエを楽しんでいる人はたくさん居る
「バレエは芸術」
- バレエは芸術であり、興味がない人もいて当たり前
「本題(ヤマカイについて)①」
- 「日本にバレエをもっと広めたい」と(ヤマカイは)言っているが、真剣に取り組んでいる僕(ヒューマ)から見ると不快感を感じるものが多い
- 間違った情報もあり、かえって悪い印象を与えているのではないか?
- 過激な内容でも再生数を稼ぐことで結果バレエが広まるという言い分があるが、それでバレエの良さが伝わるとは思えない
「ヒューマにとってのバレエの素晴らしさ」
- バレエは基礎が大事であり、基礎が出来ている人ほど美しくそれがバレエの素晴らしいところ
「無理にバレエを広める必要あるの?」
- 興味がない人もいるのが当たり前であり、バレエの本来の形を変えてまで無理に広める必要があるのか?
「本題(ヤマカイについて)②」
- ヒューマから見たヤマカイの印象は、「バレエを広める」という大義名分でお金稼ぎをしているだけに見える
- 過激な言動がバレエを広めることに繋がるとは思えない
- 僕(ヒューマ)から見ると、ヤマカイTVの動画内容がバレエなんだと勘違いする人が増えるのが嫌
- コネがなくてもオーディションを受けて合格したので「プロバレエダンサーになるにはコネが必要」というのは嘘である
- 「タイツ、モッコリ」など釣りサムネはバレエのイメージを悪くしてしまうのではないか
「ヒューマの願いと気持ち」
- 影響力を持ち「バレエを広める」という大義名分を掲げるなら、間違った情報ではなく責任を持って本来のバレエの良さを広めてほしい
- 影響力を持っているからこそ、ファンは間違った情報を本当のことだと鵜呑みにしてしまう人もいる
- 芸術であるバレエを下げてまで、一般に広めることは良いことだとは思わない
一部意訳もありますが、このような内容でした。
動画内ではヤマカイさんの名前は出していませんでしたが、ファンの間ではヤマカイさんのことを指していることは明らかでした。
その後、ヤマカイさんがこのヒューマさんの動画に対する動画を投稿したことで確定に至りました。
②ヤマカイがヒューマの動画に対しての謝罪&弁明動画をYouTubeに投稿
ヒューマさんの「ヤマカイ批判動画」の投稿から3日後の2022年1月18日、ヤマカイさんがYouTubeに「悲しい.. 実はバレエ界の敵になっていたらしい」というタイトルで32分の長編動画を投稿。
動画の内容をまとめると、
「冒頭」
- (動画を投稿したヒューマや同じ考えの人に対して)本当に申し訳ない
- バレエ界に嫌われているということがショックだった
「”ヒワイ”について」
- 「ハダカ」については、芸人さんなどを見て単純に面白いと思って取り入れたが、線引を間違えてしまった
「”お金稼ぎ”について」
- 「お金稼ぎ」については本当に興味がない、YouTubeの収益等は全て会社に入れて従業員への給料など活動資金にあてている
- 「脱いだら広告は付かない」
- 「8分から動画の収益が約3倍になるが、面白さ重視のため7:50の動画が沢山ある」
- 「どれくらい稼げているのかも知らない」
- 「案件は通算で2,3回ほどのみ」
- 「踊ってみたは収益ゼロ、むしろマイナス」
- 「1つの動画に10時間以上かける」
- これらをお金稼ぎに興味がない物的証拠として理解してほしい
「”登録者稼ぎ”について」
- 確かに登録者は伸ばしたいが「案件もほとんどやっていない」「他のお仕事のオファーはアメリカにいるため基本断っている」
- それでも登録者を伸ばしたいのは「バレエを広める」というチャンネルの目的の数値的目安として目指している
「”バレエを広めるを利用しないで”について」
- 「バレエを広める」というのは共感する人が少ないので、大義名分としての効果は薄い
- チャンネルのターゲットは「バレエを知らない人」
- それでも掲げたのは本当にバレエを広めたいと思っているから
- バレエは間口が狭くプロ野球の球団が2つしかないような状況であり、有望なダンサーが沢山辞めていった
- その間口を広めるために、バレエをもっと広めたいと考えている
- もう1つは、動画投稿のモチベーションを維持するため
- 4年間頑張ってきて、今回バレエ界の敵のような形になっていることが非常にショック
- これからもバレエを広めるというチャンネルコンセプトは継続させてもらいたい
「”バレエは既に広まっている”について」
- 「お稽古文化」と「公演事業」は分けて考えないといけない
- バレエ人口の40万人は、市場規模としてまだまだ小さい
- バレエ団経営には、公演だけではなく「スポンサー」も必要
- 市場が小さいとスポンサーが付きづらい
- スポンサーが付きづらいと、バレエダンサーの収入が少なく辛い状態が続く
- そんなダンサーの状況を変えるためにもバレエを広めたい
「”バレエは芸術であり、大衆ウケしない”という考えについて」
- 僕(ヤマカイ)も本当はヒューマの考えや価値観に賛成だが、挑戦・変革なしに存続する文化はない
- バレエの300年の歴史上でも、紆余曲折があり今がある
- 熊川哲也さんも、バレエを広めるためにバラエティ等でイジられたりバカにされたりしながらやってきた
- そういった活動のおかげでバレエ男子が増えた
- 少ない椅子に座った身として、感謝の気持ちも込めて挑戦していきたい
- 本来なら一流の人がやるべきだという意見には同意
「”コネがないとバレエ団に入れない”について」
- コネがないと入れないとは断言していない
- 最も有力なのはコネだが、他にも手段は紹介している
- 動画の結論は「実力で評価されるようになってほしい」だった
- コネが最有力になってしまっている現状を変えて公平性を高めるための情報露呈だった
「”キモい、モッコリ”について」
- ヒューマは言われなかったらしいのだが、僕(ヤマカイ)は言われた経験がある
- 言われたことがないというのは素晴らしい環境
- バレエ男子と一括りにしてしまったのは申し訳ない
「”バレエの動画を出さない”について」
- 人はバレエよりもまず人に興味を持つ
- 「バレエの知名度を上げる前に、まず僕の知名度をあげなきゃいけない」と1本目の動画で話している
- まず僕(ヤマカイ)に興味を持ってもらって、バレエに興味を持ってもらいたい
- バレエを動画を出しても「アルゴリズム上、バレエに興味がある人にしか届かない」
- 段々とチャンネルが大きくなり、多くの人に届く可能性が上がったので2022年はバレエ動画を増やしていく計画だった
- 一貫して「バレエを知らない人」に向けて動画を作っている
「”なぜ有名ダンサーを紹介しないのか”について」
- 僕(ヤマカイ)もレジェンドは好きだし紹介したい
- でも、そんな素晴らしいレジェンドの動画の再生数を見て、世間の興味関心の少なさに絶望した
- 来るときに備えて、イベント等で有名な方に会った時には「いつか動画に出て頂けたら」と頭を下げてお願いはしている
- 日本の有名バレエ団とコラボをする予定だったが、感染病でうやむやになって無くなってしまった
「”動画からバレエの魅力が伝わらない”について」
- マーケティングには「1.潜在的消費者への露出」「2.購買の検討」「3.購入」といった段階がある
- バレエ界は、まず1の部分が少ないと考えている
- ヤマカイTVは、その1の部分を頑張りたいと考えている
- 2の段階へなかなか進めていないのは実力不足
「”影響力を考えてほしい”について」
- これは弁明の余地もない、申し訳ない
- いつの間にかよくない状態になってしまっていた
- 行動・発言に責任を持っていきます
「ヒューマへのメッセージ」
- 1つの事をずっと続けられる人が”天才”
- 天才には僕(ヤマカイ)の発言や行動が理解できないかもしれない
- 理解できなかったら、深く考えずそのままでいい
- 才能も発言する勇気もある、怪我に気をつけて頑張ってほしい
「ヤマカイの感想」
- 本当にショックで、人生で過去一を争うほど落ち込んだ
- でも勇気を出して動画を出してくれて気付かされたことは沢山あった 有り難い
- 19歳のバレエダンサーの障害になっていた 申し訳ない
「ヤマカイの分析」
- 人間には「注目型」「司令型」「理想型」「法則型」という4つの考え方の型がある
- ヤマカイは”注目型”:みんな仲良く楽しくやっていこう!敵も味方にしていくタイプ
- ヒューマはおそらく”理想型”:憧れや理想を目指すタイプ、理解できる人だけついてきてくれればいいタイプ
- 根本的な考え方が違う
③ヒューマが視聴者へのお願い動画を投稿
ヤマカイさんの謝罪動画がアップされた2022年1月18日の当日に、ヒューマさんが「前回の動画の続きです。みなさんへお願いです。」というタイトルで動画をアップしました。
動画の内容は、
- 皆さんは実際にプロバレエダンサーになった経緯やバレエに対する熱い想いを聞いたことがありますか?
- コメントで意見をして下さった方で、今現在の日本のバレエ界の活動の取り組み等を詳しく知っている方はいらっしゃいましたか?
- それらを把握した上でコメントしてくれましたか?
- バレエを教わった人々はみんな熱心でバレエ界が良くなるように活動をされています
- それを知っているからこそ、多くの人に考えてもらいたいし知ってもらいたい
- どうかもっとよくバレエ界のことを知って全国の公演を観に行ってください
- バレエ界の取り組みの1つとして札幌で行われる「白鳥の湖」というプロジェクトを紹介
このような内容でした。
これはヤマカイさんではなく、おそらく前回の動画に誹謗中傷的なコメントをした視聴者に向けた動画でしょう。
固定コメントにされている内容も、誹謗中傷のコメントをした視聴者に対するものだと推測されます。
④ヤマカイが視聴者へのお願い動画を投稿
そして、その2日後の2022年1月20日、ヤマカイさんが「お願いがあります。」というタイトルで視聴者へのお願い動画をアップ。
動画の内容は、
「視聴者へのお願い」
- 1つお願いがあります
- 彼(ヒューマ)のチャンネルの動画へのコメントを控えて頂きたい
- 前回動画の最後にあったように「愛のあるコメント」をお願いしたい
「”じゃあなぜ回答動画を出したのか”について」
- 「サムネが名誉毀損の疑いがあった」「ヤマカイ否定派への扇動の恐れ」「ヤマカイTVの過去動画の発言の捏造」
- これら3つが理由でアンサー動画を出さざるを得なかった
- 「情報が彼のためになると思ったこと」「視聴者にも向けたメッセージ」
- この2つの理由もあった
このような内容でした。
一部は、ヒューマの言ってることも正しいと理解を示しつつ、ヒューマへの批判的なコメントを控えてくださいというお願いの動画でした。
⑤ヤマカイが活動休止を発表
その4日後の2022年1月24日に、ヤマカイさんが「この件はこれで最後です。そして活動休止します。」というタイトルで動画を投稿し、活動休止を発表しました。
今回の動画では、パートナーであるネレアさんも動画に出演されています。
動画の内容は、
ネレアさん
- 私もヒューマと同じくロシアで4年間バレエを学んでいたので境遇が少しわかる
- “このメソッド以外は間違えている”という教育方針で教わる
- “バレエはこうあるべき”という一部では軽い洗脳と言われるような教育です
- SNSは自由だけど、発言の捏造や虚偽での印象操作は犯罪だと思う
- ヒューマからは一度も謝罪はないし、申し訳ないという態度が一切見られない
- ヒューマこそバレエ界に対しての人々のイメージを悪いものにしている
- 私たちは人傷つけることはしたくない
- 不慮で傷つけてしまったら筋を通して謝罪する
- ヒューマの不幸を私たちは願いません
- 今回した事の重大性をいつか理解して、そこから学んでほしい
- バレエ界は思ったよりも狭く、お互いを知っていて支え合ってできています
- もし彼が自分のチカラを過信しているのであれば、幸運を。険しい道だと思います
ヤマカイさん
- この件について3つ目の動画になってしまって申し訳ない
- アンサー動画投稿後は何事もなかったように動画投稿しているヒューマの対応にとても悲しんでいる
- 俯瞰して分析してみると、ヒューマの行ったことはただの炎上商法です
- 「怒りと不快感を覚える具体的な2つの例」はどちらも嘘だった
- ヒューマは話をしたいのだと思っていた
- だからヤマカイに対するリスペクトはなかったけど、議論に応じました
- 1つ目の動画で謝罪、2つ目の動画で批判があったので守った
- ヒューマへ「お話をしませんか」とDMをした、コラボ対談をして平和的に終わりたかったから、彼のチャンネルの足しになればと
- 訴訟を起こして終わることもできたが、バレエ界にとってそれが最善だと思った
- 育ててもらった先生にリスペクトは教わらなかったのだろうか?
- 私の行動・発言が彼にとってリスペクトがないものと感じているかもしれない、だから謝罪した
- ヒューマは2つ目の動画でとあるバレエ団体を盾に使った
- そこに名前が書かれていたある女性が理由でバレエダンサーになることを決めた
- 自分がこれまでやってきたことは全てのバレエダンサーにとって良いことだと信じてきた
- 今の良くない精神状態が回復した時点で再開します
- ネガティブな動画で申し訳ありませんでした
このような内容でした。
ヤマカイ批判によるヒューマ炎上についての反応
ヒューマさんのコミュニティについてたコメントで一番これだってなったやつ
今の状況はヒューマさんもヤマカイさんもそれぞれの視聴者も、誰一人として得してないんだよな… pic.twitter.com/LlPQg5k8qp— ケイ (@DYjXp38PFqpPPac) January 26, 2022
ヒューマさんの炎上が続いていますが、中でも一番的を射ていると思われるコメントがこちら。
筆者もこのコメントの内容は非常に納得できます。
ヤマカイさんの動画でも言われていますが、そもそもヤマカイさんとヒューマさんの考え方は根本的な部分が違っているように感じます。
「本来の形で受け入れられないなら、変革をして少しでも認知してもらわないとバレエの文化が無くなってしまう」
というような方針のヤマカイさんに対して、
「バレエは本来こういうものなんだ、受け入れられないなら仕方がない、そういうものなんだ」
という考え方のヒューマさんとでは、見据えているものが大きく異なっています。
ヤマカイさんは未来を重視していますが、ヒューマさんが重視しているのは今現在でしょう。
ヤマカイとヒューマの炎上問題まとめ
- 2022年1月15日、ヒューマがヤマカイ批判の動画を投稿
- 2022年1月18日、ヤマカイがヒューマの批判動画に対しての謝罪&アンサー動画を投稿
- 2022年1月18日、ヒューマがコメントをした視聴者に対しての動画を投稿
- 2022年1月20日、ヤマカイがヒューマの動画への批判コメントを控えるようお願い動画を投稿
- 未明、ヤマカイがヒューマと話をする機会を作ろうとDMを送るが返答なし
- 2022年1月24日、ヤマカイが対話を試みたが謝罪もリスペクトもなく、活動休止することを発表
- リスペクトもなくバレエ団体をも盾に使い、そこにヤマカイがバレエダンサーになることを決めた憧れの女性の名前があった上に、対話すらする気すらなく何事もなく動画投稿をしているヒューマの行動がただただ悲しかったと話している
- 結果、ヒューマは炎上